加速度センサー選定のポイント 加速度センサーの選定方法3

今回は加速度センサーの選定方法の最終回です。 本シリーズのバックナンバーも公開しておりますので、前回、前々回の内容もあわせてご覧いただけますと幸いです。

前回は、弊社製品『3軸加速度センサー リードタイプ MA3シリーズ』の仕様表をもとに、加速度センサーの仕様の項目について解説いたしました。 しかし項目がたくさんあるため、初めて選定する際には迷ってしまうこともあるかと思います。

今回は、加速度センサーを選定する上で、重要な3つのポイントをご紹介いたします。 用途ごとに必要となる仕様の傾向もご紹介いたします。

早速ですが、加速度センサーを選定する際に、まず最初に確認していただきたい重要な3つのポイントをご提示致します。

加速度センサー選定のポイント

  • 周波数特性
  • 検出範囲
  • サイズ・重量

順に解説していきます。

検出範囲

例えばマイクロストーンのモーションレコーダー『8チャンネル小型無線モーションレコーダー MVP-RF8-JC』にMA3-04ADを接続したとします。 検出範囲は±20m/s2 (±2G) となります。 この場合、30m/s2の加速度は、計測値が振り切れてしまって計測が出来ません。

検出範囲 計測値が振り切れることなく、測ることが出来ているグラフ画像
図1. 計測値が振り切れることなく、測ることが出来ているグラフ画像
検出範囲 計測値が振り切れてしまい、測ることが出来ていないグラフ画像
図2. 計測値が振り切れてしまい、測ることが出来ていないグラフ画像

『8チャンネル小型無線モーションレコーダー MVP-RF8-JC』や『無線振動データロガー MVP-RF6L-AC』は2種類の検出範囲を持っております。 専用ソフトウェアのセンサー設定画面で切り替えが可能です。

MVP-RF8-JC計測ソフトウェア センサー設定画面と選択肢
図3. MVP-RF8-JC計測ソフトウェア センサー設定画面と選択肢

判断材料としましては、動きか衝撃か、動きの場合は動きの速さを見ていくことになります。

応答周波数

また、前回ご説明した通り、『3軸加速度センサー リードタイプ MA3シリーズ』は圧電型の加速度センサーです。 圧電型の加速度センサーは、静止加速度(0Hz)を計測できません。 そのため、『3軸加速度センサー リードタイプ MA3シリーズ』の仕様では、応答周波数の範囲に0Hzが含まれません。

サイズ・重量

加速度センサーのサイズ・重量は、取付先に合わせて選定する必要があります。 特に産業ロボットのアームの先端や人の指先などを計測する際には、大きなセンサーでは本来の動きを損なってしまいます。 こういった計測の場合、『8チャンネル小型無線モーションレコーダー MVP-RF8-JC』の無線通信を使う場合でも、弊社では『3軸加速度センサー リードタイプ MA3シリーズ』と合わせてお使いいただくことをおすすめしております。

これらの3つのポイントのうち、検出範囲と応答周波数については、用途によってどの仕様を選べばよいかをある程度絞り込むことが出来ます。 下記の画像をご覧ください。

加速度センサーの主な用途
図4. 加速度センサーの主な用途

人の動きの場合、10Hz以下で計測されることが多いです。 その中でも、動きの激しいスポーツの動作計測では、歩行に比べて高めの検出範囲(加速度)、応答周波数の仕様で計測していただいております。

機械の動きは、人の動きに比べて高速で動くため、さらに高い周波数を計測することになります。 落下や衝突など、衝撃を測る場合、瞬間的に高い加速度が発生するためそれに応じた検出範囲(加速度)、応答周波数が必要となります。

全3回にわたり、加速度センサーの選定方法をご紹介してまいりました。 参考にしていただきながら、弊社までご相談いただけますと幸いです。 実際に選定していただく際には、計測してみないとわからない部分もあるかと思います。 弊社ではデモ機のご用意もございますので、実際に計測してご確認いただいた上でご購入いただけます。 加速度センサーで人の、機械の計測を行う際にはお問い合わせください。

上記に記載の装置以外でもご活用いただけます。 下記リンクのフォームよりお問い合わせください。