さて、今回はサンプリング周波数についてお話させていただきます。
前回の記事で下記の内容を書きました。
デジタルに出てきたデメリット「データを離散的にしかとることができない。」
離散的にしかとることができない。とはどういうことか・・・
アナログとデジタルをもう一度見比べてみましょう。
連続にデータが取れるかどうかが大きく違うこととなります。イメージはこんな形です。
アナログ・・・・動きをビデオカメラで撮影
デジタル・・・・動きをカメラの連射で撮影
※ビデオカメラも現在はデジタルなので厳密には違いますが、、、、あくまでイメージです。
アナログに比べてデジタルは前のデータと次のデータで空白の時間があることがなんとなくイメージつきますかね
デジタルはパラパラ漫画のようなイメージ
デジタルの場合このパラパラ漫画1ページづつがサンプリングの1データになります。
そのため、ページとページの間は取得できないデータとなります。
1データ間の時間が長ければ長いほど、早い動きのデータが取れなくなります。
文字だとよくわからないので実際に見てみましょう!
例えば1秒間に10回サンプリングするとします、それぞれ1hzの振動と10Hzの振動でサンプルを取ってみましょう
例1 1Hzの振動を1秒間に10回サンプリングした場合
例2 10Hzの振動を1秒間に10回サンプリングした場合
例1は点を繋げることで、元の振動と変わりないようなデータを得ることができたのに対して
例2は元の振動とは全く違うデータになってしまいました。
例2をさらに分析してみると・・・
サンプリングの間に大きな変化があるととらえることができなくなってしまうことがわかりました。
このことからデジタルで計測をするときは、「計測したい振動の周波数」を知ることが正確なデータを得るために必要になります。
また、サンプリングは少なくとも「計測したい振動の周波数の2倍以上でサンプリング」する必要があります。
サンプリング周期(サンプリングする間隔)は「Hz」または「msec」で表記されることが多いです。
Hzで表示されているサンプリング周期の時は自分の見たい振動の周波数がサンプリング周期の1/2になっているか確認すればいいのですが、
msecで表示されている場合は少し計算が必要になります。
周波数(Hz)は1秒間に「何回サンプリングするか」の数値になります。
msecは「次のサンプリングまでの時間」を表す数値になります。
msecは1/1000秒なので、下記の計算式でHzに変換することができます。
サンプリング周期(Hz) = 1000 ÷ サンプリング周期(msec)自分の持っているセンサーのサンプリング周期がわかったところで、今度は自分の計測したい振動の周波数を確認します。
一番簡単な方法は「FFT解析」を使うことです。
FFT解析については下記のページで詳しく解説しているのでご覧ください。
応用事例 情報解析方法 FFT(高速フーリエ変換)について今回の話を整理しましょう。
①アナログは連続的、デジタルは非連続的にデータを取得することができる。
②デジタルのデータを取得することは「サンプリング」と呼ばれる。
③サンプリングの周期(速さ)を間違えると、正確な値が取れなくなってしまう。
④振動でいえば取りたい振動の周波数の2倍以上のサンプリングが必要。
⑤サンプリング周期には「Hz」と「msec」があるがどちらも計算にて求められる。
⑥振動の周波数を確認するために「FFT解析」という手法が良く使われる。
全4回にわたってセンサーの最適な選択方法を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
少しでも皆様のお力に慣れれば幸いです。
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